必要なソフトウェア ================== 本ソフトウェアをインストールするには、前もって zlib をインストールして おく必要があります。zlib は次の場所から入手することができます。 http://www.gzip.org/zlib/ システムによっては、最初から zlib がインストールされている場合もありま す。 基本的なインストール方法 ======================== 本ソフトウェアの最も単純なコンパイル方法は次の通りです。 1. ソフトウェアのソースコードが置かれているディレクトリに移動 (`cd') し、`./configure' を実行します。`configure' の実行には少々時間が かかります。 実行している間は、どのような項目をチェックしているのかを記したメッ セージが出力されます。 2. `make' を実行してソフトウェアをコンパイルします。 3. 任意で、ソフトウェアに付属しているセルフテストを実行する場合は、 `make check' を実行します。 4. `make install' を実行して、プログラムおよびデータファイル、ドキュ メントをインストールします。 5. `make clean' を実行すると、生成されたプログラムのバイナリファイル やオブジェクトファイルを、ソースコードの置かれたディレクトリから 消すことができます。 一緒に `configure' が生成したファイルも消す には (こうすることで、別の種類のコンピュータでソフトウェアをコン パイルできます)、 `make distclean' を実行します。 コンパイラとコンパイルオプション ================================ システムによっては、`configure' スクリプトが理解していない、コンパイ ルやリンクのための特別なオプションを与える必要があります。オプションは 環境変数を通して、`configure' に対して初期値を与えることができます。 env CPPFLAGS=-I/usr/local/include LDFLAGS=-s ./configure インストール名 ============== デフォルトでは、`make install' を実行すると、ソフトウェア中のファイル が `/usr/local/bin'、`/usr/local/man' などにインストールされます。 `configure' に対して `--prefix=パス' オプションを指定することで、 `/usr/local' 以外のインストール先を指定するとができま ます。 アーキテクチャに依存したファイルとそうでないファイルを、それぞれ異なっ たインストール先にインストールすることも可能です。 `configure' に対し て `--exec-prefix=パス' を指定すると、プログラムやライブラリなどのイン ストール先が「パス」に変わります。ドキュメントや、データファイルなどは、 通常のインストール先にインストールされます。 加えて、あなたが通常とは異なったディレクトリレイアウトを採用している 場合は、`--bindir=パス' といったオプションを指定することで、特定の種類 のファイルのインストール先だけを変えることができます。 `configure --help' を実行すると、どのようなディレクトリを変更できるのか、どのよう な種類のファイルがどのディレクトリにインストールされるのかが分かります。 ソフトウェアがサポートしているならば、`configure' に `--program-prefix= 接頭辞' や `--program-suffix=接尾辞' というオプションを与えることで、 インストール時にプログラム名に接頭辞や接尾辞を付加することができます。 `configure' の動作の制御 ======================== `configure' は次に記したオプションを認識します。 `--cache-file=ファイル' テストの結果の読み込みや書き出しに使用するファイルは、通常 `./config.cache' ですが、代わりに「ファイル」を用います。 `configure' をデバッグするときは、ファイル に `/dev/null' を指定 することで、キャッシュを抑制することができます。 `--help' `configure' のオプションの一覧を表示して、終了します。 `--quiet' `--silent' `-q' どのチェック項目を行っているのかを示すメッセージを出力しません。 通常のメッセージ出力をすべて抑制するには、`/dev/null' へリダイレ クトして下さい (ただし、エラーメッセージについては出力されてしま いますが)。 `--srcdir=ディレクトリ' ソフトウェアのソースコードを探し出す際に、「ディレクトリ」を探しま す。通常、`configure' は自動的にディレクトリを決定します。 `--version' `configure' スクリプトがどのバージョンの Autoconf によって生成さ れたのかを表示し、終了します。 役に立つ場面は限られますが、`configure' には他にもいくつかのオプション が用意されています。 選択可能な機能の一覧 ==================== 本ソフトウェアの `configure' は以下に記した `--enable-' および `--with-' オプションを認識します。 `--enable-ebnet' 遠隔アクセス対応を有効にします。無指定時は `yes' です。 `--enable-ipv6' 遠隔アクセスでの IPv6 対応を有効にします。IPv6 に対応したシステム では、無指定時は `yes' が指定されたものとみなされます。`yes' を指 定したにもかかわらず、`configure' が IPv6 を使ったサンプルプログラ ムのコンパイルに失敗すると、エラーが報告されます。`--enable-ebnet= no' を指定した場合、このオプションは無視されます。 `--enable-pthread' コンパイルされた EB ライブラリに pthread 対応コードが付加さます。 無指定時は `no' です。`yes' を指定したにもかかわらず、`configure' が pthread を使ったサンプルプログラムのコンパイルや実行に失敗する と、エラーが報告されます。 注意: pthread への対応は、まだ不完全で実験的なものです。 `--with-pthread-cppflags=FLAGS' `--with-pthread-cflags=FLAGS' `--with-pthread-ldflags=FLAGS' pthread サポート版の EB ライブラリを作成する際に付加する CPPFLAGS, CFLAGS, LDFLAGS です。 `--with-zlib-includes=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている zlib のヘッダファイルを 参照します。 `--with-zlib-libraries=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている zlib のライブラリファイ ルを参照します。 `--enable-nls' メッセージの国際化機能 (正確には NLS は Native/National Language Support)。EB ライブラリおよびユーティリティは、メッセージの国際化 機能が有効になるようにコンパイルされます。 この機能を使うには GNU gettext が必要です。システムに GNU gettext がなければ、このソフトウェアをインストールする前に GNU gettext をイ ンストールして下さい。本ソフトウェアは、たとえば Solaris の実装のよ うに、GNU gettext と非互換な gettext には対応していません。 無指定時は、gettext が利用可能であれば `yes' に、そうでなければ `no' になります。`yes' を指定したにもかかわらず `configure' が gettext() 関数を用いたサンプルプログラムのコンパイルや実行に失敗 すると、エラーが報告されます。 `--with-gettext-includes=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている gettext のヘッダファイル を参照します。メッセージの国際化機能が無効になっている場合、この オプションは意味を持ちません。 `--with-gettext-libraries=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている gettext のライブラリファ イルを参照します。メッセージの国際化機能が無効になっている場合、 このオプションは意味を持ちません。 `--with-iconv-includes=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている iconv のヘッダファイル を参照します。メッセージの国際化機能が無効になっている場合、ある いはシステム上の gettext() 関数が iconv() を使用しない場合、この オプションは意味を持ちません。 `--with-iconv-libraries=DIR' DIR ディレクトリにインストールされている iconv のライブラリファ イルを参照します。メッセージの国際化機能が無効になっている場合、 あるいはシステム上の gettext() 関数が iconv() を使用しない場合、 このオプションは意味を持ちません。 `--enable-shared' 共有ライブラリ版の EB ライブラリを作成します。無指定時は `yes' で す。 `--enable-static' 静的ライブラリ版の EB ライブラリを作成します。無指定時は `yes' で す。 `--with-gnu-ld' C コンパイラが GNU ld を使用していると仮定します。 無指定時は、`no' です。 `--disable-libtool-lock' ロックしないようにします。(並列コンパイルは、正しく行われない可能 性があります。) `--enable-samples' サンプルプログラムもコンパイルするようにします。無指定時は `no' で す。コンパイルしても、サンプルプログラムは何処にもインストールされ ません。 `--enable-largefile' 2GB を超える、大きなファイルを扱えるようにします。システム側で対応 していないと、指定しても効果はありません。無指定時は `yes' です。